グループディスカッションでは重視されるポイントというものが幾つか存在していますが、
そのポイントは企業が何を重視しているかによっても違いますし、
どういった判断基準を用いているかによっても違います。
グループディスカッションの選考ではありませんが、
外資系メーカーのユニリーバでは、会社とのマッチング度合だけを適正検査だけで判断し、採用するという戦略を取っています。
それほど、企業によって重視している基準は異なるのです。
今回は、主観を踏まえて(選考のポイントの議論は人事でない限り主観を交えなければできない)、選考のポイントについてご紹介致します。
グループディスカッションで重視されるポイント
※注:これは重要なことですが、以下の議論は知識として知っているだけではあまり意味がありません。
選考を受け、グループディスカッション練習をする中で落ちたポイントを反省する際に利用します。
見ているポイントは大きく分けて3つあると考えています。
- 論理力(地頭力)
- キャラ力(感じの良さ)
- ファシリテーション能力(メンバーの意思疎通を促進し、目標達成と問題解決を支援する能力)
の3つです。
企業によって、論理力を重視している企業もあればキャラ力を重視している企業もあります。
つまり、企業によって評価されるような立ち振る舞いは多少変わってくるということです。
たとえば年末まで外資系の企業を受けてきた人が、
商社のグループディスカッションで今までのクセでガツガツと発言量を稼ぐと、
落ちるというようなことはよく言われるエピソードです。
これは、企業が重視しているのはキャラ力であるにもかかわらず、
論理力およびファシリテーション能力をアピールしてしまった結果、
企業側には評価されなかった例であるという事もできます。
では、それぞれの能力はどんなものか、見ていきましょう。
1.論理力
論理力は頭の回転やアイデア力に相当します。自分の持っている特性を議論の中で発揮するパターンです。
グループディスカッション中にいかに論理的に筋が通った意見を言えているか、
根拠がしっかりとしたレベルの高いアイデアを出せているか、というのが評価のポイントになるでしょう。
2.キャラ力
キャラ力は人当たり、物腰、雰囲気作り等によって評価されます。
自分の持っているキャラ力をいかにしてグループディスカッション中に発揮できるかが評価ポイントになってきます。
例えば、出だしの第一声で雰囲気を和らげる、議論が白熱したときにうまく緩和することができる、
逆に議論が進まなくなってしまった時にうまく発言をしやすくなるような空気を作るなどの行動が評価対象になるでしょう。
3.ファシリテーション能力
ファシリテーション能力は、いかに周りの反感を買わずに議論を前に進めることができるのか、によって評価されます。
全員の意見をしっかりと聞いていては議論が前に進みませんが、一部の意見を切り捨ててばかりでは空気が悪くなるばかりです。
この部分の折り合いをうまくつけながらファシリテートし、さらに話せていない人にまんべんなく話を振っていけば、
周囲の雰囲気を壊さずにうまくファシリテートする能力が高いとして評価されるでしょう。
論理力はアピールすべき特性、キャラ力はその表現法、ファシリテーション能力はそれ自体がアピールになることもあれば、同時に表現法でもあります。
一般にファシリテーション能力を一種の表現法と捉えた場合、
キャラ力とは(チームの中の役回り的に)相反するものになりがちとなります。
そのため、いくら愛想がよくキャラ力に長けている人であったとしても、
ファシリテーション力重視の企業のグルディスでは思うように活躍できず、
「この企業は自分と合わないなあ…」と感じてしまいかねません。
筆者の友人でも、
「グループディスカッションで一緒にやったやつで、自分の意見ばっかり押し通そうとするやつがいてん。あんなやつが受かってるんやったら、むしろ一緒に働くんは俺からも願い下げやから受からんで良かったわ」
というような人がいました。
これもまた僕の主観ですが、一般に日系企業や営業・化粧品会社のグループディスカッションはキャラ力を、コンサルティングファームは論理力を、そして一部の外資系企業はファシリテーション能力を(3つの中ではもっとも)重視しているように思います。
キャラ力とファシリテーション能力は共にコミュニケーション系に属し、互いに近いものに思えますが、
同じと思うとうまくいかない場合があり似て非なるもの(と思えばすっきりとグループディスカッションの系統を分類しやすい)です。
キャラ力は人当たりの良さ、ファシリテーション能力はリーダーシップに属するものとでも言いますか・・・。コンサルに論理力が重要なのは言わずもがなです。
次は:グループディスカッションで建設的な議論をする方法(基本編)