この記事を読んでいる人の中にはグループディスカッションの経験がある人もない人もいるとは思います。
しかし、初めてのグループディスカッションはだれしも、何が何だかわからないまま終わってしまう人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、グループディスカッションで建設的に議論をするための基本的な進め方について解説します。
また、最後にグループディスカッションで使うフレームワーク(枠組み)についての紹介と解説をします。
よく学んで、実践で磨いてください。
それではまず、グループディスカッションの流れを理解するうえで知っておくべき基本用語を解説します。
目次
基本用語
ブレーンストーミング
ブレーンストーミングとは、「みんなの頭の中にあるものを掃き出すこと」の意です。
わからない方は「グループのメンバーが各々アイデアを出すこと」と思っておいてください。
ブレーンストーミングを行う目的としては、議論が始まり、とりあえず全員の率直な意見や考えを場に引き出して、共有することです。
主に、課題解決型や企画立案型のテーマにおいて、
前提を決めた後に解決策等を各々提案するタイミングで、ブレーンストーミングを行うことが多いです。
構造化
構造化とは、得られたアイディアや共通項を元に項目ごとに分けたり、ある評価軸で切ったりして、
解決策や具体的な言葉を入れる「箱」を作ることの意です。
上の図のように、たくさん出た意見をある一定の基準で分類するなどして、
出た意見をより分かりやすく整理します。
文化人類学者である川喜田二郎氏が考案した発想法「KJ法」などの考え方を参考にすると良いと思います。
紙やホワイトボードなどの「書くことができるもの」が用意されている場合、上記のような図を作ると全員が共有できて効果的です。
(ある項目の箱が空だったとすると、そこに抜け落ちた議論があるということが分かったり、逆に箱に入りきれない意見から、より一般的な構造を作りだすことで議論が深まったりすることがあります。)
フレームワーク(枠組み)
フレームワークとは、意見を構造化する際にどのような基準で分類するとわかりやすく分析することができるか、という、いわば「意見を入れるための箱の作り方」です。
有名なもので3C、4Pなどのものがあります。(これらは「売上に関するテーマ」が出題された際によく使われます。)
「フレームワーク一覧」については、下記をご参考ください。
【就活】グループディスカッションで使えるフレームワーク(枠組み)一覧
グループディスカッションの基本的な議論の方法
次に、「良いグループディスカッション」とはどのように進行するグループディスカッションかの概念を示します。
グループディスカッションはおおよそ、ブレーンストーミングと構造化を繰り返すことでできます。
基本的にはみんなのアイディアを出しながら、構造化し、
逆に構造化した図から具体的なアイディアを出して、新しい構造を作り出していきます。
具体的に言うと、
「とりあえずみんなの意見を出していこう」(ブレーンストーミング)→
「じゃあ出た意見を分類しよう!」(構造化)→
「この部分についての意見があまり出ていないからもう少し話し合おう」(ブレーンストーミング)→
「じゃあこれをまとめていこう!」(構造化)
といったような流れです。
具体的に、グループディスカッションの基本的な流れはこれから紹介していきます。
議論が抜けている項目(目的の共有など)があると、グループディスカッションの最後で足りない項目を蒸し返して結論がなかなか出ない、なし崩し的なグループディスカッションになります。
しっかりと流れをつかみ、特に「目的共有」と「論点抽出」を抜かさないようにやっていきましょう。
グループディスカッションの基本的な流れ
基本的なグループディスカッションの流れを具体的にすると下記のようになります。
0.時間配分決定
1.目的共有
2.論点抽出(問題点や市場の分析)
3.アイデア出し
4.まとめと結論・意思決定
まずはそれぞれの段階でどのようなことをするのか、解説していきます。
0.時間配分決定
議論の内容自体に直接影響はしてきませんが、
時間配分をしっかりと設定しなければ議論が途中で終わってしまったり、結論が雑になってしまう恐れがあります。
議論に入る前に、サクッと時間配分を決めてしまいましょう。
この時間配分の提案は議論の口火を切るのに最適ですし、この時間配分決定の時点で話せているとこのあとの議論でかなり話しやすくなります。
提案する内容自体も難しくはないので、時間とテーマが発表された時点である程度どのような時間配分がよいかを考えておき、
グループディスカッションが始まったら「じゃあまず時間配分決めちゃいましょうか!」と言って合意すると良いでしょう。
1.目的共有
目的共有では、提示されたテーマについての認識を共有するのが大切です。
例えば、課題解決系のお題(売上をアップさせなさい、新たな事業領域を考えなさいなど)の場合は、
◎課題解決の目標は何年後か
◎課題解決の主体は誰か
◎具体的にどれくらいの基準を達成すれば課題を解決したといえるのか
など、ゴールとなる部分を丁寧にメンバー内で確認し、全員が同じ認識を持って議論できるように、目的を共有します。
2.論点抽出
論点抽出は、「現状分析」とも言われることがありますが、「問題を解決していく上で、ネックとなっている部分はどこか」を特定する段階です。
目的共有で設定したゴールを達成するためには、現在の状態をしっかりと把握し、どの部分を改善するのかを決定し、改善策を考える、という流れが重要です。
そのため、この段階で対象となっている団体や企業の置かれている現状を分析しましょう。
この分析の際に、3C分析やSWOT分析などのフレームワークで分析すると、後の議論の論点がはっきりし、まとまった議論がしやすくなります。
3.アイデア出し
これは先ほど説明した「ブレーンストーミング」の段階にあたりますが、論点抽出で見えてきた問題点に対する解決策をそれぞれ出していきましょう。
ここでは、しっかりと根拠を持った意見を言うことができると評価も上がりますし、後々の結論の解決策最寄しっかりとしたものになります。
4.まとめと結論・意思決定
ブレーンストーミングと構造化を繰り返し、ある程度意見が出揃ったら、その意見をまとめて発表できる状態にします。
時間に余裕があったり、話すことがなくなった場合は沈黙するのではなく、
その解決策や理由にたどり着いた根拠をしっかりと固めると、完成した結論がよりレベルの高いものになるでしょう。
グループディスカッションの時間配分(20分の場合)
次は具体的にどのような時間配分で考えるか見ていきましょう。
20分の場合は以下のように進めたら良いでしょう。おおまかな時間を最初に区切って決めます。
- 目的共有(3分)
- 論点抽出(問題点や市場の分析)(5分)
- アイデア出し(5分)
- まとめと結論・意思決定(5分)
※最初に
「あと17分あって、最後の5分はまとめに必要だよね。そしたら、残った12分を6分ずつに区切るとして、問題点6分くらいで分析して、それに対するアイディアを6分くらいでみんなで議論しよう。」とか
「あと19分あって、最初に考える時間を4分くらいとろうか。そしたら、15分あって、最後の5分がまとめに必要だから、残りの10分が議論の時間だね」
とか、分類はざっくりとでいいので、時間の流れを明確に共有しておきます。
そうすることで、議論が停滞して結論が出ない危機の時に
「もうあと○○分しかないから、ここはこのくらいのところ(落としどころ)にして、次の議論に移らないか」
というように進めることができます。
いかがだったでしょうか。
一通りこの内容を頭に入れてグループディスカッションに挑むことができれば、
初めてのグループディスカッションでも流れをわかった状態で参加できるため、余裕をもって議論に参加できます。
グループディスカッションに参加する前は是非見返して、この流れ通りに進めてみてください!