昨今、多くの企業の選考の中で取り入れられているグループディスカッション。
しかし、グループディスカッションとは言っても、わからないことが多いですよね。
「どんな流れで行われるのか?」
「どうすれば企業の方々に好印象を残せるのか?」
「どういうことに気を付ければいいのか?」
など、不安がたくさんある人も多いのではないかと思います。
そこで今回は、はじめてのグループディスカッションの前にぜひとも確認しておきたい、
〇グループディスカッションの流れ
〇グループディスカッションでの流れ
〇グループディスカッションで重視される点
〇グループディスカッションで最低限気を付けておくこと
について解説していきます。
名前
という方は、ぜひご一読ください。
目次
1.そもそもグループディスカッションとは?
そもそもグループディスカッションとは何なのか?
グループディスカッションとは、端的に言うと、就活生を何人かのグループに分け、企業側から提示されるテーマや課題について議論し、何らかの結論や解決策を制限時間内に導き出す、という一連の流れを通じて企業側が選考を行う選考形式の一種です。
もちろんテーマに対して説得力のある結論や効果的な解決策を出すことも重要ですが、それ以上に議論の過程でのコミュニケーション力や協調性、積極性や、議論内での発言の論理性や発想力がより重視されます。
つまり、面接やESなどの他の選考方法よりも、より就活生自身の素の部分や、実際に仕事をしていくうえで重要になってくる能力を直接測られやすい選考方法であると言えます。
その分、ディスカッションの最中に気をつけておかなければならないことや、最低限守らなければならないマナーをしっかりと意識していくことが重要になってきます。
グループディスカッションの大まかな流れ
では具体的に、グループディスカッションはどのような流れで行われるのが主流なのでしょうか。
もちろん企業やテーマによって多少形式は異なりますが、大まかには次のような流れで進行します。
①企業側からディスカッションのテーマ、時間、その他選考上のルールなどが提示される
②グループ内で簡単な自己紹介や挨拶を行う
③グループ内での役割(司会、書記、タイムキーパー…)、時間配分を決める
④実際に与えられたテーマについて議論を行う
⑤議論の内容に基づいてグループとしての結論を出す
⑥グループごとに発表を行う
この一連の流れを、一般的には30分~1時間程度で行います。
2.グループディスカッションの役割とは?
グループディスカッションを行う上で、全員が好き勝手話していては短時間でグループの意見をまとめて発表までこぎつけることは不可能です。
議論を開始する前に各自の役割を決定し、その役割に求められる動きをしっかりと行うことがグループディスカッションの成功においては必須となってきます。
司会(ファシリテーター)
役割といってすぐに思いつくのは進行役である司会(ファシリテーター)だと思います。
イメージのとおり、議論の中で中心となって、進行していく役割です。
司会はただ単に仕切る役ではありません。
周囲の様子をよく見て、発言数の少ない人に発言を促したり、時間配分を頭に入れながら時間内にグループの議論を結論に至るまで導かなければなりません。
そのため、ただ多く発言したり強く自分の意見を主張すればよいわけではなく、周りをよく見て、その状況に応じた立ち回りをする必要があります。
さらに、話が横にそれた場合に軌道修正したり、無言になった時などに話題を提供できたりするとさらに良いでしょう。
書記
書記は、その名の通りグループの議論の議事録をつける役割です。
一見簡単なようにも見えるかもしれませんが、議事録をつけると言ってもただ発言内容を書いていたのではわかりにくい議事録となってしまいます。
書記において重要なのは、全員の意見を客観的に見て、それぞれの発言の重要な部分を抽出し、論理的にまとめることです。
書記の議事録は、最終的に全体の意見をまとめる際に非常に重宝されます。
つまり、理論的に整理された書記の議事録は、全員の意見をよく取り入れた良い結論に到達するために必須です。
逆に、発言内容を記録することだけに終始した議事録は、あまり参考にはなりません。
また、昨今の就職活動におけるグループディスカッションはZoomやTeamsなどのWEB会議ツールを使うことがほとんどなので、
タイピングの能力や、Wordでわかりやすく議事録をまとめる能力などが追加で必要になってきます。
箇条書きにする、決まったことにマーカーを引くなど、少し工夫するだけでかなりわかりやすくなります。
また、単純にグループ全員に読める字で書くことがマストなので、丁寧な字が書ける人がよいです。
タイムキーパー
タイムキーパーは、あらかじめ決めておいた時間配分のとおりに議論が進んでいるかを逐一確認し、タイムオーバーになることを防ぐ役割です。
負荷が大きい役割ではありませんが、議論が白熱した場合にもしっかりと声を上げて時間通りに議論を進めることは制限時間内に一定の結論を出すうえで非常に重要な役割となってきます。
その場の雰囲気に流されずに、しっかりと自分の役割を果たす必要があります。
監視役
議論をしていると、どうしても白熱してしまい、議論の方向性が本来の方向性からずれていってしまう場合があります。こういう場合に、軌道修正を行うのが監視役に当たります。
監視役の役割としては、議論が白熱してしまったり、たくさんの意見が出たとしても、常に冷静に客観的な姿勢を保つ必要があります。
「この議論の方向性で求められている結論にたどり着くことができるのか?」
「現在の議論は今回のテーマに沿っているものなのか?」
を一歩引いた視線から見て、適宜修正していく必要があります。
そのため、どんな状況においても冷静さを欠かない人、客観視することが得意な人に適した役割であると言えます。
アイデアマン
とにかくガンガンアイデアを出していくのがアイデアマンです。
一定数、「意見を言うのは全然大丈夫だけど、わかりやすく議論を進めるのは正直あまり得意ではない…」
「書記を務めると自分の意見を言えなくなってしまう…」などの理由で、役職につかない方がむしろいいパフォーマンスを発揮できる人がいます。
その場合は無理に役職に就く必要はなく、アイデアマンとしてファシリが提示してくれる話題に対して自分の意見を述べると良いです。
その際に気をつけることは、①相手の意見を必要以上に否定しないこと と、②論理的に筋の通っている意見を出すこと。
グループディスカッションでは少なからず協調性を見られている部分があるので、
他人の意見を全否定するような人は協調性がないとして落とされる可能性があります(コンサルなどのGDでは協調性よりも論理的に正しい意見を言った方が評価される場合もあるので、一概にはいえません。)
他人と違う意見を言う際は、その人の意見の良いところは取り入れた上で、さらに論理的に正しい意見を言えると良いです。
以上が主な役割となります。
最後に、グループディスカッションの人数によっては、何の役割も持たない人が出てくる可能性も高いです。
そうなった場合にも「これでもうアピールできない…。選考に落ちる…。」と考えてはいけません。
自分の意見をしっかりと発言し、また余裕があれば役割を持った人たちのサポートをすることができれば、
特に役割がなくても十分にアピールの余地はあります。
どの役割が有利である、この役割は簡単な割に評価がいい、などは特に存在しません。
上記を参考にして、自分の特性に合っている役割や立ち回りを心がけてみるとよいと思います。
3.グループディスカッションで特に注目される能力
さて、ディスカッションでの役割を説明しましたが、どの役割の人も、また役割がない人も、そのテーマについて発言し、議論を行うことは共通して避けては通れない道です。
そのような発言内容において特に重視されるポイントを以下にまとめました。
論理的思考力
まず、何かのテーマに対して発言する際に、その発言が論理的に筋が通っているものであることは大前提として重要になります。
自分の意見を述べるにしても、他人の意見に対して補足や反対意見を述べるにしても、それが論理的に破綻しているものであれば説得力のある議論は展開できません。
企業に入社した後も、企画をするときや会議で何かについて議論するとき、必ず論理的な整合性が取れていなければなりません。
つまり、働いていくうえで論理的に思考することができる能力は必要不可欠なものであり、必然的に選考の過程でも重視されるわけです。
積極性
議論に対して積極的に発言する姿勢があるか、という点も重要なポイントになってきます。
いくら他人の意見に耳を傾けることが大切であるとはいえ、ディスカッションである以上聞き手に回っていては元も子もありません。
自分の意見をしっかりと論理的に主張し、またほかの就活性の意見に関連付けて発言することが重要です。
コミュニケーション能力、協調性
ディスカッションとは言え採用試験なわけですから、最低限一緒に働いていくうえで差支えはない程度のコミュニケーション能力や協調性があるかどうかももちろん重視されます。
特に、議論の最中に相手の意見を頭ごなしに批判したり、他人の発言をさえぎって自分の意見を主張したりするなど、他者に対して思いやりのない態度や過度に攻撃的な態度などは控えるようにしましょう。
テーマに対しての知識量
これはディスカッションのテーマにも左右されるので一概には言えませんが、その業界に関する知識を前提とした課題が提示された場合は、その業界におけるある程度の知識があるとアドバンテージになることがあります。
またそれ以外の場合でも、あまりにも一般常識が欠如しているような発言があった場合などは不利になることも考えられます。
すべての項目について言えることですが、「一緒に働いていけそうか」「採用後のミスマッチがないかどうか」などの観点が採用段階では重視されるため、以上の項目については特に重視されていると考えてよいと思います。
4.直前に確認!グループディスカッション中に最低限気を付けること
さて、では最後に、グループディスカッションの間に気を付けておくべき最低限のルールを簡潔にまとめます。
初めてのグループディスカッションの方も、直前にこれをもう一度読んでマナーの確認をしてからグループディスカッションに挑みましょう!
・人の意見をしっかりと聞くこと
前章まででも何度か触れましたが、自分の意見を主張することに終始せず、人の意見をしっかり聞いて自分の主張に取り入れましょう。
・発言をはきはきとすること
どれだけいい意見や鋭い意見であっても、ぼそぼそと話していてはグループディスカッションのメンバーに伝わりません。
はきはきと話すことを心がけましょう。
・積極的に発言すること
考え込みすぎて発言が少なくなってしまうと、いいアイデアを持っていたとしても不完全燃焼に終わってしまいます。
もちろん論理的な整合性は大切ですが、相手の意見を聞いて思ったことなどは積極的に発言していきましょう。
・姿勢や悪い癖に注意する
議論が長時間になると、どうしても姿勢が乱れてしまったり、ペンを回す・足を組むなどの悪い癖が出たりしてしまうことがあります。
こまめに自分の体制を見直して、態度や姿勢が悪くなっていないか確認しましょう。
・明るい振る舞いを心がける
選考だからと言って攻撃的になったり、無理に硬くなる必要はありません。むしろ明るく振る舞って良い雰囲気を作ることがプラス評価につながることも多いです。
実際に私も、できるだけ明るく振る舞い、相槌などもできるだけ笑顔で打つようにしたところ、インターンシップのグループワークなどでは軒並み高い評価をいただきました。
雰囲気が和めば自然と発言しやすくなりますので、余裕があれば明るい振る舞いを心がけてみましょう!
5.最後に
ここまで、初めてのグループディスカッションで注意するべきポイントや、グループディスカッションで重視されるポイントなどについてまとめてきました。
それぞれの役割ごとに要求される能力や、試験官に注目されるポイントが異なります。
さらに、役割によらず、ディスカッション中の態度やくせ、姿勢なども試験官にチェックされているのです。
ぜひGD練習会や本番のGD前にこの記事を見返して、それぞれの役割や、ディスカッション中の注意するポイントなどをおさらいしてディスカッションに臨んでみてください。
みなさんのGDがうまくいくことを願っております!