就活生であれば避けては通ることが出来ないグループディスカッション(通称GD)。特に最近ではインターンの選考をはじめ応募数が増加傾向にあり、まとめて選考を行うことができるグループディスカッションを実施する企業は増えてきました。
しかし、落ちた人も受かった人も何が良くて何がダメだったのか理解出来ている方は少ないのではないでしょうか?今回、実際の企業で出題されたテーマを元にどのようなことに注意すれば良いのか。1度は見たことがあるような具体的な例を用いて解説いたします。
「〇〇とは何か。定義せよ。」
こんなテーマを出題されたことはないでしょうか?
- 成長企業とは何か。
- 良い企業とは何か。
- 就活とは何か。
- 仕事とは何か
これらのテーマは中小的なテーマと言われ「〇〇とは何か。定義せよ。」のような形で出題されます。特にケースのようなテーマの対策ばかりを行なってきたコンサル志望の就活生にとっては苦手意識のある方が多いのではないでしょうか?
では、これらのテーマをどのように解決していくのか、ご紹介いたします。
対策ポイント①:方向性を決める
このようなテーマが出題された際の議論の展開方法としては2つしかありません。1つは大枠から徐々に狭めていくことで最適解を見つけるトップダウン型の展開、もう1つは具体的な例から共通する事柄を挙げ、徐々全体として当てはまるものを見つけるボトムアップ型の展開です。
参考 ボトムアップ型思考とトップダウン型思考一般庶民が経済的余裕を得る方法論教室
では、具体的なテーマを用いて説明いたします。
テーマ:成長企業とはどんな会社か。定義しなさい。
このようなテーマが出たとき、それぞれの展開方法がどのようにされるのか解説します。
1. トップダウン型
まず、トップダウン型の論理展開では、先述した通り大枠から徐々に最適解を見つけることになります。
上記のテーマで考えると下記のようなプロセスです。
- ステップ1成長の定義を決めるex:成長企業ってことは売上が増えているいうことだよね
- ステップ2より具体的にする(それを繰り返す)ex:売上が増えているってことは○年間で成長率○%の企業だよね
- ステップ3結論の検討を行うex)この定義で本当にあっているのか、具体的な成長企業を挙げて検討してみよう
以上のような形です。コンサル志望の人が多くとるやり方ですが、普通の就活生にとっては考えにくいと感じる方が多いと思います。次におすすめするボトムダウン型の論理展開です。
2. ボトムアップ型
ボトムアップ型の論理展開では、トップダウン型とは全く逆のプロセスをとります。
先ほどと同様に上記のテーマで考えてみます。
- ステップ1成長企業に当てはまるもの例を挙げるex:成長企業ってDeNAとかサイバーとかあるよね?じゃあトヨタとかは?
- ステップ2それらに共通する要素を探すex:今回挙げた企業って全部IT企業じゃない?成長率は〇〇だよね?
- ステップ3結論ex)まとめると成長企業はこういうことだね?
以上のような流れになります。上記のボトムアップ型の議論展開については更に詳しく説明しているしているので、気になる方がいればこちらをご覧ください。
【具体例有り!】グループディスカッションで建設的に議論する方法
対策ポイント②:敵をつくらない
グループディスカッションは一人で行う選考とは違う、他の人と協力して行う選考です。その際にどんなに良い意見が言えていたとしてもグループのコンセンサスが取れていないにも関わらずに議論を進めてしまうと、自分はよくできたと思っても落とされてしまうこともあります。
特にこういったお題で最も重要な要素になっているのが、敵をつくらないことです。
グループディスカッションにて見られる要素の一つに「協調性」があります。この協調性については企業によって比重が違いますが、このようなテーマが出題される場合には、協調性は大きな比重を占めていることは間違いありません。ぜひ敵をつくらないように意識するようにしてください。
「〇〇を〇にする施策を考えろ」
コンサル企業のグループディスカッションを受けた方であればこのようなテーマを見たことがあるのではないでしょうか?
- 慶應大学の入学者数を1年間で2倍にする施策を考えろ
- 日本の投資を3年間で5倍にする施策を考えろ
- ユニクロの売上を2倍にする施策を考えろ
- マクドナルドの成長戦略を考えろ
差異はあるにしても、似たようなテーマを受けたことがある方が多いのではないでしょうか?
「◯◯とは何か。定義せよ。」と同様に、具体的なテーマを元にその対策法についてお伝えいたします。
対策ポイント①:定義づけをする
まずディスカッションを行う中で最も重要になってくるのが、言葉の定義づけです。その定義づけの際に重要な指標となる3つをご紹介いたします。
・主体の設定
こういったコンサル系のテーマでは主体の設定が重要になります。
例えば、仮に以下のようなテーマが出題されたとします。
テーマ:千代田区内のバス会社の売上を2倍にしなさい。
このとき、多くの人は「この施策はバス会社のために考える施策だ」と考える人がいると思いますが、2020年に東京でオリンピックが開催されることから、バス会社の運行情報を増やしたい企業の施策と考える人もいるかもしれません。
つまり、主体を「バス会社」か「国」にするかによって、その目的や施策は全く異なるものになるのです。
・期間の設定
施策を提言する上でどのくらいの期間で実施するかということも重要な要素の一つです。
長期的な施策と短期的な施策では全く異なるものとなります。その具体的な説明については次の「前提の設定」について説明します。
・前提の設定
下記のテーマを例に前提の設定について考えます。
テーマ:マクドナルドの売上を2倍にする施策を考えろ。
このテーマの施策を考えるにあたり、グループ内のコンセンサス(同意)を取らなければなりません。例えば、「日本に所属するマクドナルド」なのか、「マクドナルド1店舗」なのか、「マクドナルドグループ全体」なのかによって、議論する内容は大きく異なると思います。
このように、まず前提として言葉の定義を行う必要があるのです。
次にディスカッションを行う上で忘れられがちなのが、「妥協点を決める」ということ、つまり「何を良しとして何を悪しとするか決める」ことです。
これを決めることは非常に重要なポイントとなります。
例えば、上記のテーマにおいてハンバーガーの価格を下げる施策を考えるとします。価格を下げることにより客数が増えるため、売上は上がることが予想されます。しかし、数年経てば客は価格に慣れ、客足も遠のいていくかもしれません。
つまり、価格を下げることは短期的に見れば増収が望めますが、長期的に見れば寧ろマイナスに働く可能性が高いということです。これは実際にマクドナルドがここ近年値下げを実施していないことからも言えると思います。
しかし、中には指定されていないのだから短期的な増収でいいのではないかと思う方もいるかもしれません。
ここで、前提を決定しておく必要があります。このテーマが出題された意図として、「継続的な増益が望める施策」というものとして、コンセンサスをとっていたとすると、値下げの施策は問題であるということができるのです。
このように、定義を設定することは議論を展開する上で非常に重要なものとなっています。
対策ポイント②:議論の全体像を考える
グループディスカッションでは議論の内容は見られていないと言われることがありますが、特にコンサルティング会社のグループディスカッションではいかに議論を推進する発言ができたかがポイントとなっています。
そしてこの議論を推進する発言こそ議論の全体像を把握した上で行うことができるのです。
全体像を把握するための方法としては下記をご覧ください。
【具体例有り!】グループディスカッションで建設的に議論する方法
まとめ
このように、テーマによって注意する点やポイントは大きく変わってきます。是非ご自身の選考対策の参考にしてもらえればと思います。